研究科長・学部長からの
メッセージ
「経済」という言葉は、中国の古典における「経世済民」―世を経(おさ)め、民を済(すく)う―との記述に由来すると言われています。経済という言葉の本来の意味を考えると、経済学を学ぶことは、我々の暮らす社会をよりよくし、社会に暮らす人々の幸福を達成することであるとわかります。経世済民の精神こそが、本研究科・学部のパーパス(存在意義)ということになります。得体の知れない感染症の拡大、終わりが見えない世界各地の紛争・戦争、そして突如発生する自然災害といったことが頻発する現代にあって、経世済民の精神を持ちながら経済学を学ぶ必要性はますます高まっています。経済格差、貧困問題、地球温暖化といった身近な社会課題の解決にも経済学は有益な知見を提供しています。さらにはスポーツやエンターテイメントにも経済学の応用可能性は広がっています。
本研究科・学部は世界最先端・最新の研究を行うことで、我が国の経済学研究をリードする存在であると自負しています。近年では人の非合理性に注目した経済学の新しい潮流である行動経済学のような新しい領域の研究に積極的に挑戦しています。また、経済学にとどまらず、経営科学やマーケティング、経営戦略といった経営学分野や経済史・経営史といった歴史的視点から経済・経営を捉える分野の教員も多数有しています。仕掛学のように本研究科・学部にしか存在しないユニークな学問を提供しています。こうした最先端で多様な経済学関連の知見は、研究論文や著書として公表することで社会に還元し、日経・経済図書文化賞をはじめとした様々な賞を受賞しています。
大阪大学大学院経済学研究科・経済学部は、常に社会課題の解決にむかって最先端の経済学・経営学の知見を蓄積しつつ前進しています。経済学の社会課題解決というパーパスに共感する熱意ある学生が一人でも多く、本研究科・学部の門を叩いてくれることを心からお待ちしています。